「心の花賞」の世界

「心の花賞」は短歌結社である竹柏会「心の花」が2001年からスタートした短歌賞です。通常の投稿歌数の限度が8首であるのに対して、同賞は20首連作。一首一首の完成度に加えて、連作としての「主題」が評価の観点となってきます。

・「心の花賞」は、〇印をたくさん取った優良作ではなく、短歌史に新しい領域を拓く何かを持っている作であってほしい気がする。(佐佐木幸綱)

・連作では、一首一首の完成度とともに、その構成や、塊となった時の迫力などがポイントとなる。それぞれの連作の魅力が違っているため、比較して甲乙をつけるのは、とてもむずかしい。平均点の高いものと、バラつきはあるけれどずば抜けたものが含まれているものと、構成力の優れたものと、塊として迫ってくるものと……。(俵万智)

第1回「心の花賞」の選後評より2人の評を抄出しました。いずれも連作を編むときの「ヒント」が含まれているように思います。

・外国語学びはじむる楽しさは嘘を言ふのが下手になること   小川真理子(第1回受賞作「盗めざる宝石」より)

・スタバにて辺野古(へのこ)の話題にふとなりぬ畿外を語る貴族のごとく  屋良健一郎(第5回受賞作「畿外を語る貴族のごとく」より)

・わが仕事この酔ひし人安全に送り届けて忘れられる事  高山邦男(第6回受賞作「綺羅星に告ぐ」より)

・おもらしの後は黙禱するように壁に向かいてうなだれる父  藤島秀憲(第7回受賞作「土管のように」より)

・北を指す針セシウムに狂ふ春さくらあやふく光りつつ咲く   山口明子(第11回受賞作「さくらあやふく」より)

・午后の陽のひかりのなかに現れてまた消えてゆく人形の島   野原亜莉子(第15回受賞作「人形たちの島」より)

過去18回の受賞作品の中から一部を抄出しました。改めて作品を読み返しつつ、それぞれの作品が放つ「力」を改めて感じています。なお、過去の受賞作は「心の花」のウエブサイトで読むことができます。

http://kokoronohana.sakura.ne.jp/pdf/kokoronohanasyo_jyusyoichiran.pdf

今年度の「心の花賞」及び入会3年以内の会員が応募対象の「群黎賞」の募集要項はまもなく発表される予定です。



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